政策研究大学院大学（GRIPS）では2025年6月10日?11日の2日間にわたり、タイの国家汚職防止委員会事務局（ONACC：Office of the National Anti-Corruption Commission)の依頼を受け、同事務局の事務次官補および幹部職員ら35名を対象に、本学で研修を実施しました。

本研修は初めての開催であり、ONACCの幹部職員が日本の公務員制度および汚職防止に関する取組を学び、今後の人材育成や政策立案の参考とすることを目的としています。高田寛文教授（副学長?本研修プログラムディレクター）が、日本の公務員制度、人材育成、および公務員の規律や倫理、汚職防止の取組について講義を行いました。また、研修中には、1日目に文部科学省、2日目に人事院国家公務員倫理審査会事務局をそれぞれ訪問しました。

訪問先では、日本の国家公務員の倫理保持のための規準やルールを学んだほか、公務員の職業倫理、汚職防止に関連して、小中学校における道徳、倫理教育がどのように社会での倫理観の醸成に貢献しているかについて説明を受けました。参加者からは、活発な質問が寄せられ、日本の初等教育における道徳教育や、汚職防止制度の在り方に対する高い関心がうかがえました。

短期間の研修でしたが、全体を通して参加者の熱意が感じられ、実務に直結する内容として受け止められた様子でした。また参加者からは、今後も研修の継続を望む声も聞かれ、本研修が有意義な学びの機会となったことがうかがえました。