必博娱乐

必博娱乐

必博娱乐

ALMO 2016.1

Nurbek01

Nurbek Toichubaev(キルギス共和国)

Invivo LLP創業者 兼 最高経営責任者

Young Leaders Program(2003年修了)

?

?

?

?

1997 年にキルギス?ビシュケク市にあるキルギス国立大学を卒業後、海外からの投資?支援受入れを統括するキルギス政府委員会GosComInvestにて海外投資?援助の誘致を担当。2002年に大統領府の要請により経済政策部門にて勤務し、同年秋に政策研究大学院大学(GRIPS)へ入学した。帰国後は、インターネット関連企業に勤務し、2007年には臨床検査事業を行う民間会社Invivo LLPを設立するため隣国のカザフスタンに移る。同企業は急成長を遂げ、現在、総従業員数は3,000人以上。プライベートではスポーツに打ち込んでおり、近年ではアメリカのシカゴで開催された世界パラトライアスロン選手権でブロンズメダルを獲得。2020年の東京パラリンピックへの出場を目標にしている。

?

?

‐あなたの専門分野とその分野に従事するに至った経緯を教えてください。

日本から帰国した2003年以降、農村地域に公衆インターネットアクセス拠点を構築するInformative Futureという財団に就職しました。同財団は、私が勤務していた3年間でキルギスの農村地域に50を超えるインターネットアクセス拠点を設置しました。2007年には起業を志し、医療診断研究を行う会社を興しました。顕微分析、細菌学、バイオプシー研究など、研究所での分析結果に基づく診断活動を専門に展開しています。

?

現在、臨床検査会社Invivo LLPの最高経営責任者を務めていらっしゃいますが、主な責務についてお聞かせください。

Nurbek06

自身の会社の同僚とともに。

当社は2007年、アルマトイで創業しました。創業当初はソヴィエト連邦の崩壊によって旧ソ連地域の医療システムが立ち行かなくなり、複雑かつ精緻な診断技術の需要が高まったため、医療診断学分野に携わることを決意しました。医療システムに大きな格差があることを実感し、技術向上を目指すため、分野を絞り込むことにしました。

?

Invivo LLPは国内にある多数の生体材料や採血センターと連携し、研究拠点の一本化というアメリカ式モデルを導入するために設立されたカザフスタン初の民間企業です。当社では医療機関や医師はもちろん、健康上様々な問題を抱え、予防や診断サービスの受診を希望する人々にもサービスを提供しています。この事業にはごく初期の段階から経営に携わり、開発戦略の決定プロセスに積極的に関与してきました。経営責任者として、日々の業務を監督指揮し、企業の事業目標を達成に導く責任を担っています。

?

現在の立場から見て、今後5 ~10年における会社の展望と課題についてどのようにお考えですか。

Nurbek05

2015年11月ビジネスで日本へ出張、GRIPSを訪問。

当社では診断分野の開発事業、すなわちMRI(磁気共鳴映像法)、CTスキャン(コンピューター断層撮影法)、その他先進技術活用への展開に主眼を置く計画を進めています。近い将来には、センターの数を20か所まで増やすと同時に、いわゆる「至近距離の医療クリニック」と呼ばれるネットワーク作りを手がけていく予定です。センターは数年以内に70か所に達するものと考えています。長期的には、こうしたプロジェクトを成功させた後、別の側面を持つ病院の創設と開院を検討する予定です。

?

日本にある医療機関とも連携されていますね。

3年前、当社は日本の大手受託臨床検査企業と提携関係を結びました。この企業は臨床検査事業で約40年の実績があり、この分野では日本で最大、世界では第4位の企業です。当社と共同で、研究所の臨床試験品質を管理するシステムのほか、業務改善(カイゼン)の基礎となるシステムを導入し、展開する共同プロジェクトを立ち上げました。この企業との提携は現在も継続中で、両者の関係が戦略的なパートナーシップへと発展することを期待しています。Visual Diagnostic Project(視覚的?機能的診断プロジェクト)、すなわち、MRI(磁気共鳴映像法)やCTスキャン(コンピューター断層撮影法)といった視覚的?機能的診断法を実施するプロジェクトにおいて、MRIやCT機器の供給契約に署名しました。プロジェクトの概算コストは3千万米ドルになるものと見込まれています。

?

本学での経験は、今のご自身の活動にどのように役立っていますか。

Nurbek03

どんなときもアクティブ!

GRIPSのおかげで世界中に友人や事業面の窓口となる人脈が生まれました。彼らとは今も密接なつながりがあり、各国でプロジェクトを展開する際にサポートしてくれます。また、日本に1年滞在したおかげでアジア独特の文化や精神性を理解し、アジア諸国でのビジネスに役立っています。

?

直面している課題はありますか。また、印象に残っている仕事や、やりがいについてお聞かせください。

他の皆さんと同様、社員との間に生じる誤解や理解不足に対処する必要があります。当初は社員全員を理解し、彼らの家族の名前まで覚えようとしたものでした。ところが当社は急速に拡大し、状況が変わりました。嘆かわしいことですが、社員が今や3000人を超えた現在、すべてのスタッフを把握することが難しくなり、全員と顔見知りになるのはもう不可能です。その一方で、これだけの社員が集まったという事実を私は誇りに思っています。大事に思いたいことがもう一つあります。当社を退社する社員の約99%が、退社理由に関係なく感謝の気持ちを持って社を去っているという事実です。

?

Nurbekさんは片腕で生活しており、人生をアクティブに生きようとする姿勢をひたむきに続けておられるようです。これまでの人生、そして今後の人生にどのような影響を与えるでしょうか。

Nurbek02

2015年フィリピンで開催されたアジアパラトライアスロンで、5位でフィニッシュ。

片腕欠損は先天的なものではなく、13歳のときに遭った事故で失いました。このことが私の活動に影響したか、ですか。もちろんそうです、何をするにも二倍の努力が求められましたから。たとえば字を書く練習をもう一度最初から始めなければなりませんでした。しかし、こうしたあらゆる体験が、自分を強い人間にしてくれました。

?

先ごろ、米国シカゴで行われた世界パラトライアスロン選手権で銅メダルを獲得されました。おめでとうございます。

どうもありがとうございます。国を挙げて私のことを誇りに思っていただくという、人生にとってまたとない経験となりました。私は以前から、特に団体競技のスポーツに親しんできました。2014年の秋、単に体を鍛えたくてジム通いを始めました。しかし、それでは退屈なだけでした。トライアスロンが素晴らしい世界だと知り、競技を習いだしたのはほぼ偶然の成り行きでした。すぐさまその魅力のとりことなり、以降、トライアスロンが大好きになりました。それと同時に、国際パラリンピック競技で国を代表する機会が数多くあることを知りました。過去数年で数回の国際競技会に出場しました。ちなみにフィリピンで行われたアジア選手権では5位になりました。

今後もトライアスロン関連のイベントに参加するつもりですが、最終的な目標であり、夢であるのは、2020年の東京パラリンピックへの出場です。

?

どのような経緯で本学を志願されたのでしょうか。本学でどのようなことを学びましたか。

大学院時代に最初に書いた期末レポートは日本経済に関するものでした。日本について書かれた本で最初に読んだのは龍安寺石庭の15の石に関する本です。この本によって、日本への愛着や印象が培われたのではないかと思います。日本で学ぶ、しかもGRIPSで学べる機会があると知った時、躊躇なく出願しました。その後選考試験に合格し、2002年に入学しました。

GRIPSでは、ソ連式の学問から国際的な学問への切り替えを余儀なくされました(すなわち、教授が学生の面倒を見るやり方から、学生が自分の必博娱乐に責任を持つやり方ということです)。GRIPSは自学自習に親しむという点で良い学びの場でした。世界経済やアジアの政治についての理解が深まりました。しかし、学び、理解を深めて行く中で、留学中に得た人とのつながりや身の回りの環境が最も貴重なものだと感じました。

?

本学での懐かしい思い出はありますか。

Nurbek04

妻と2人の息子とともに。

東京に滞在中はずっと輝かしく忘れられない出来事ばかりで、正直なところ、何が一番印象的な思い出だったかは特定できません。GRIPSで学んだ日々は、良質な教育、素晴らしい人々との出会い、そして、かくも美しい国、日本の文化を知るという、またとない機会でした。日本人の正確さ、信頼性の高さ、生活インフラの質の高さがとても懐かしく思い出されます。本格的な日本食や、せわしなく感じられた日常までもが恋しいです。

?

未来のGRIPS学生達へアドバイスをお願いします。

日本、しかもGRIPSで学ぶことは、人生を変える唯一無二の体験です。GRIPSで学ぶ機会が得られるなら、躊躇せずに飛び込んでください。日本でこれから体験する環境はあなたの習慣や文化と違うでしょうから、まず、あなた本人が新しいことを進んで受け入れ、変わろうという気持ちを持つべきです。講義は入学後すぐに始まりますので、日本語や基本的知識を事前に身につけておくことをお勧めします。日本に着いたら宿舎にこもりっきりではなく、できるだけ日本の文化に参加し、体験してください。日本をあらゆる角度から学んでください。日本はちょっと考えられないほど面白い国ですから。

?

本学とのつながりをどのように維持していきたいですか。必博娱乐活動強化についてなにか期待や提案はありますか。

GRIPSの同窓生や教授に関する情報を聞き、大学で開催されるあらゆる重要なイベント情報についてもお知らせいただけるとありがたいです。時折、卒業生同士で必博娱乐を開くべきですね。日本で出会った人々とは今でも密に連絡を取り、近しい友人となりました。一方で何らかの理由があってなかなか会うことができない友人もいます。ですから、GRIPSは多くの卒業生が関与するコミュニケーションの場を増やすべきでしょう。

?

?

〒106-8677 必博娱乐

TEL : 03-6439-6000     FAX : 03-6439-6010