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Ashhad Jawwad (パキスタン)
パキスタン政府連邦歳入委員会 関税予算管理長官
Public Finance Program (2008年修了)
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17年前に税関職員としてパキスタンの官庁に入庁。以降、関税局の様々な中間管理職および上級管理職において業務と政策の両方に携わる。中間管理職就任時は、カラチ港で貨物商船の通関手続きを監督。また、2008年までは関税局の一部であった売上税の分野にも携わった経験がある。上級管理職に昇格したのち、2009年より現在までパキスタン政府連邦歳入委員会の政策本部における役職に就く。?
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関税分野における17年のキャリア
-あなたの専門分野とその分野に従事するに至った経緯を教えてください。
私は17年前から、パキスタンの関税局において業務と政策の両方に携わる仕事をしています。競争率の高い国家試験に合格してからこれまでの間、中間管理職および上級管理職の様々な任務に当たってきました。私たちの間には「優れた税関職員とは税関の全ての分野を知り尽くした者だ」という言い回しがありますが、個人的には関税分類や現状分析、歳入関連のデータ分析(特に通関後調査)を伴う業務に特に関心があります。
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-現在、パキスタン政府連邦歳入委員会 関税予算管理長官として勤務されています。主な任務や職務はどのようなものでしょうか。
この5年間、私は連邦歳入委員会の本部において関税予算管理長官として働いてきました。以下の3項目が、長官としての主な任務です。
1)関税収入徴収の定期的モニタリングと分析を行うこと
2)予算案の承認が行われる国民立法議会に先立ち、あらゆる利害関係者と連絡を取りながら、議会に提出する関税と法関連の予算措置に関する基本的な書類を準備すること
3)輸入政策関連の問題について、全国に16ある現場チームおよび商業省との連携を図ること
これらに加え、ここ5年間はパキスタンの関税率、関税法、関税手続きに関する3つの専門誌の編集も手がけています。
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パキスタンが再びアジアの経済大国となる日を目指して
-現在の立場から見て、パキスタンの今後5年から10年の展望、また課題についてどう考えますか?
?政策分野に長く携わることで、私はパキスタンが抱える問題の複雑さや様々な側面に対しての深い洞察力を養うことができました。パキスタンには乗り越えなければならない問題がたくさんありますが、現在最も重要な課題は経済と国家安全保障にあると思います。パキスタンは対テロのために重い代償を支払い、それが国を根幹から揺るがしてきました。しかし私は、パキスタンは不死鳥のごとく再び灰からよみがえり、かつてのようにアジアの経済大国となる日が来ると堅く信じています。パキスタンの人口分布(60%以上が30歳以下)、戦略的位置、政治意識の高い若年層などの要素はアジアの他の国にはない強みであり、これらがパキスタンに発展のチャンスを与えています。したがって、唯一必要なものは、今後10年の持続可能な成長を達成するための綿密かつ一貫性のある政策です。今パキスタンが手にしている大きなチャンスを鑑みれば、これは十分に達成可能な課題です。
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パキスタン初、通関手続き完全統合システム開発チームの一員として
-これまでの業務で一番苦労したことはなんでしょうか?またこれまでのキャリアで一番やりがいを感じたことはどんなことでしょうか。
私の仕事はほとんどが歳入データ分析に関わるものなので、データの正確性を確保することが現在直面している大きな課題です。新たな自動統合システムの導入により、この問題は早期に解決できるのではないかと期待しています。
私が今まで携わってきた仕事はすべて興味深く、やりがいのあるものでした。現在も新たな試練に日々直面し、その度に新たな知識を学んだり、別のアプローチを考えたりして対処しています。そうして誰かの抱える問題を解決することができた時に受ける感謝が、私にとって最大の喜びです。
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-パキスタンの関税局でのキャリアにおいて、最も誇りに思う功績は何ですか?
私は、パキスタン初の通関手続き完全自動統合システムを開発したチームの一員でした。その開発プロセスの中で得た経験、そして無事に導入されたパイロットシステムを使ってその後仕事をしているということが、いつも私に大きな達成感と誇りを感じさせてくれます。
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関税と経済、両方を学ぶことができるGRIPSのPublic Finance Program
-GRIPSで学ぶことになった経緯を教えてください。GRIPSで学んだことの中で最も重要なものは何ですか?またその経験は将来に向けてどのように役立つと思いますか?
関税の専門知識と経済の知識をさらに高めたいと考えていた時、GRIPSのPublic Finance Programが唯一この2つの領域を両方ともカバーするプログラムでした(今もそうかもしれません)。このプログラムを通して、私は経済理論とその応用について学ぶとともに、それまで全く知らなかった、あるいは少しの知識しかなかった国際関税分野についても知ることができました。GRIPSで得た知識は、パキスタンに戻ってすぐに携わった任務においても大変役立ちました。GRIPSでの経験がなければ、この時の任務は私にとって非常に困難なものになったのではないかと思います。
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-GRIPSでの一番の思い出は何でしょうか?また、日本を懐かしく思うことがあれば教えてください。
日本で触れた日本人の謙虚さと優しさ、また美しい風景と文化が一番の思い出であり、「日本」という言葉を目にしたり耳にしたりするたびに、これらを懐かしく思います。
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-GRIPSへの入学を考えている皆さんに一言アドバイスをお願いします。
"Do not miss this opportunity if you can avail it. You will not get this experience anywhere else in the world".("この機会を逃さないで下さい。GRIPSでの経験は世界のどこに行ったとしても得ることはできないでしょう"。)
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