SciREXセンターでは、第51回SciREXセミナーを2025年3月10日（月）18:30～20:00にハイブリッド形式で開催します。今回のSciREXセミナーでは、「農林業生産と環境保全を両立する政策の推進に向けた合意形成手法の開発と実践」プロジェクト（JST-RISTEX、2020年10月～24年3月）による成果を取り上げます。詳細のご確認やお申込みは、こちらのSciREXセンターのウェブページよりお願いいたします。

【概要】

　我が国では人口減少や高齢化により農林業の担い手が減少し、多くの農山村地域では地域の土地利用の形も大きく変化しています。人口減少期という制約条件下において、個人の判断や所有と公共性の均衡をとりつつ、採るべき政策についての合意形成にたどり着くには、どのような場づくりや科学的根拠に基づくデータ整備、判断基準、視点が求められるのでしょうか。

　今回のSciREXセミナーでは、「農林業生産と環境保全を両立する政策の推進に向けた合意形成手法の開発と実践」プロジェクト（JST-RISTEX、2020年10月～24年3月）を取り上げ、研究代表者の香坂玲氏より、住民との対話を通じた将来像の合意形成、地域資源の活用に向けたデータ収集、ICTを活用した合意システムの作成等を目指した本プロジェクトの取り組みをご紹介いただきます。その後、地域の将来像についての合意形成のため、住民参加型の話し合いでフューチャー?デザインの試行を担当した中川善典氏を交えて、地域における合意形成の課題や技術?工夫、あるいはより一般的に、社会変革のプロセスで合意形成の困難に直面する可能性のあるすべての分野において応用?援用できる知見についても議論を行います。

　科学技術イノベーションにおいても地域課題の解決においてもステークホールダー間の合意形成は欠かせません。地域の将来の政策に資する科学とデータが果たす役割と課題から、合意形成への取り組みについて一緒に考えましょう。

※プロジェクトの成果は、『人口減少期の農林地管理と合意形成: 農林業生産と環境保全の両立を目指して』（ナカニシヤ出版、2024年）にまとめられました。