2024年9月9日、Talk on Women's Life Designの第4回を実施しました。今回のテーマ国は「ナミビア」。ナミビア出身の留学生Esterさんに「Social Inclusion and Navigate Work-Life Balance for Women」と題して話題提供いただきました。
【話題提供者のEster Oufrou Shangadiさん(ナミビア)】
Esterさんによると、ナミビアでは女性はかつて労働力に含まれていなかったものの、政府の積極的差別是正措置政策の導入により、現在では、労働力参加率は日本より若干高め、国会議員など指導的役割における女性の割合、ジェンダー平等への取り組みも世界の上位にランクインし、数字的には進んでいるとのことです。
しかし、旧来のジェンダー感は依然として残っており、実態としては男性社会のまま。賃金等の男女間格差、早期妊娠や貧困による女子の高等教育進学率の低さ、農村部での女性や子どもへの深刻な暴力(家庭内暴力、性的虐待、人身売買など)、シングルマザーの貧困、貧困の連鎖などが問題として挙げられました。また、介護を含めた家事の主な担い手は女性で、ナミビアの女性は良く働き非常にモチベーションが高いものの、家事と仕事の両立をしなければならない女性たちのワークライフバランスも課題とのこと。このワークライフバランスや子育てにおけるジェンダー間の問題は日本とナミビアの共通の問題ではないか、とのことでした。
Esterさんは、「ジェンダー平等を実現するためには、女性の声を強化し、行動を起こすこと、自分のミッションとしては、ナミビアの地方に住む少年少女に焦点を当て、"教育の公平性"を提唱すること。男子も女子も、全ての子どもが教育を受けられるようにすることこそが女性の機会を増やすことに貢献する」と強調されました。
Q&Aでは、防犯という視点でのナミビアのコミュニティについて、政府のジェンダー平等への取り組みの具体策、家庭での父親の役割や不在の影響についてなどに話が及びました。参加者から「アフリカ社会で父親の不在が子どもの発達や幸福に悪影響を与えていることが問題とされていることについて」の考えをきかれたEsterさんは、父親の役割の強化、コミュニティ全体で子どもを支援する取り組みの必要性、セルフケアや支援を求めることの重要性、また、ここでも公平な教育の重要性について強調されました。
終了後には、参加者のお一人から差し入れていただいたナミビアのお菓子2種類を味わいながら、引き続きの意見交換や交流の時間を楽しみました。
なお、エスターさんと今回ファシリテーターを務めてくださったスリランカ出身のAmanda Pereraさん(Two-year Master's Program of Public Policy)は、このトークの2日後に本学をご卒業されました。Esterさん、Amandaさん、ご協力ありがとうございました。【Amanda Pereraさん(一番右)】